前置き(長っ)
田植機とは
田植えは、稲を田んぼに植えていく作業です。
昔の人は、全部手で植えてました。
でも、今の人は、そんな重労働ムリです。
なので、機械化というわけですが、田植機が世に出始めてから様々なタイプがあります。
最初に出てきたのは、歩行型の機械です。
イセキの「さなえ」が有名で、「田植機といえば、さなえ」とイメージが農機具業界にはあるそうです。(本当?)

1967年のモデル P4A

1971年のモデル PF20
田んぼに浮く田植機は、これが初だそうです。
人が乗り込んで使う「常用型田植機」は、昭和50年代から出始めてたそうですが、植付け速度は歩行型と変わらなかったみたいです。
昭和60年頃からは、高速型のものが開発され、現在使われているのに近い形になったそうです。

機械化により効率化されたのは、ここ40~50年で、それまでは、全て手植えしていたとは、農家の方には頭下がります。
最近の田植機(高機能)
AT(オートマ)
最近の田植機は、クラッチが付いてないです。
ちょっと前のは、ベルト型CVTのミッションタイプで、現行機種は、HST(油圧モータ)や電動になっています。
田植えする際は、まっすぐ田植えして、速度落として田植え止めて上げて、ターンしての繰り返しで、クラッチがあると踏む回数が半端ないので、省力化のためなくなりました。
※ うちのさなえちゃんは、ベルト型CVTタイプでした。
自動ターン
ハンドルを切ると、植付け停止→植付け部上昇→後輪内側の駆動が切れ、フロントデフロック入→ハンドルを戻す→植付け部下降→植付け再開と、一連の作業を田植機がやってくれます。
※ うちのさなえちゃんは、この機能ないですが、ハンドル切ると、後輪内側の動力が切れて、更に切り込むとブレーキがかかります。
整地ローター
植付け部の手間に、タイヤが荒した田面を平らにするためのローター。
コレがついてるのも、比較的新しくて、上位モデルになります。
枕地(旋回する部分)は、田面が荒れるため、レーキ等で平らにする作業が不要になります。
(非常にほしい機能です。)
※ うちのさなえちゃんにも欲しい機能です。
側条施肥
植付けと同時に、植付けした稲のすぐ近くに肥料を散布する機能です。
昔は、ペースト状の肥料が多かったですが、最近のは、粒上の肥料をブロワーで圧送して入れていきます。
肥料は重いので、最近のは車体中央に搭載できるようになってます。(その前のモデルは、車両後方に積むタイプ)
農薬散布機能(箱処理剤、除草剤)
植付けと同時に、苗箱への箱処理剤や、除草剤を散布する機能です。
これがあると、植付だけで、その後の面倒な除草剤散布が不要になります。
コレがついてるのも、比較的新しくて、上位モデルになります。
※ うちのさなえちゃんにも欲しい機能です。
疎植(そしょく)
昔は、稲の植付け間隔を短くしたほうが、沢山お米が取れると思われていましたが、最近の研究では、30cm間隔(37株/坪)まで、影響ないと言われています。
密に植える機能(70~90株/坪)のは昔の機械でも調整できましたが、疎植できるのは比較的新しい機械です。
現在では、坪当たり、37株(30cm)~70株(16cm)で植えることが多いようで、使用する苗箱の数が減らせることから、省力化・低コスト化に役立ちます。
※ イセキはかなり前から疎植できる機械を作ってて、うちのさなえちゃんも37株植付けできます。
イセキ PQ4-DUL 購入(ヤフオク 5/10)
はい、購入したのはいつものヤフオクです。w
植込部ロータリー式、ノークラッチ(AT)、セル付き、パワステ突き、側条施肥機能付きで、なんと奇跡の3万550円!!
超々激安、本当に動くんでしょうか?www

引取り(5/15)
群馬県の農機具屋さんからの出品で、軽トラで引取に行きました。

道交法が改正され、全長の20%まで、全幅は左右10%(合計20%)まで、はみ出してOKなので、スペック上は、軽トラ運搬で問題なし。
久しぶりに、群馬県まで観光を兼ねて、奥様と行っていきました。

無事、帰還しました。

状態
サイドマーカー
フロント側のサイドマーカーが両方ボロボロです。


施肥機排出レバー
固着して回りません。

排出用フラップが軸固着。フラップ駆動用ギアが無いです。

しかし、こんなに錆びるんですねー。4mm各のシャフトがボロボロで朽ちてます。

株数切替レバー
通常←→疎植の切り替えレバーは問題なく動くのですが、株数切り替えレバーが固着して動きません。
現状、60株と37株での2モードでしか植付け出来ません。

メンテナンス
マーカー
Before
経年劣化でプラスチックは、白っちゃけてます。

After
なんということでしょう~!
バーナーで炙るとこんなにキレイに戻ります。

肥料排出レバー
レバーの固着は、排出フラップ部の固着と、ブロワーの排風方向を変えるリンケージの固着でした。
油塗って、ガチャガチャして直りました。

肥料排出フラップ
ネットで調べた感じ、現行機種も肥料の排出構造は変更無いっぽいので、パーツ買えそうですが、イセキはパーツが高い(←ヤンマー比較)のと、3万円の本体に、修理代いくらかけるの?となってしまうので、残ってたパーツから採寸して、3Dプリンターで作りました。
PLA樹脂なので、錆びないし、壊れても、自然に帰るので安全・安心です。

プロト作って、問題なく動いたので、4セット作りました。

組み付けしてキレイに直りました。

車両フレームボルト
右前タイヤ近くのフレーム連結ボルトが無くなってました。
バラして気がついてよかった。

手持ちの8mmボルトで留めておきました。

フロントデフロックペダル
フロントのデフロックするためのペダルが無くなっていたので、そこらにあった鋼材を溶接して作りました。

突き出し量はこんなもんかな?

植付け爪オイルシール交換&グリスアップ
植付け爪のダストシール&オイルシールが傷んでいるところがあって、他の爪よりもグリス漏れが多かったので、こちらも3Dプリンタで作成。
メーカー違うかもだけど、最近のはオイルシールとダストシール一体型があると聞いたので、一体型で設計して、素材はTPU(緑)でプリントしました。

使ってみた感じ問題なさそうです。純正部品は取り外しするのが大変だったので、嵌め合いはもう少しきつくしてもいいのかも。

フロントマーカー
適当に色々プロトタイプ作ってみたけど、長い部品作るのって大変。
まぁ、場所が分かればなんでもいいので、シャフト部分は適当なもの使ってマウントする部分だけ作ればよかったかも。

エアクリ交換
Before
ボロボロかなって開けてみたら、見事ボロボロ粉々でした。(笑)

After
いつものキッチンスポンジ詰め詰めでOK!

注油・グリスアップ
マニュアル指定箇所に注油・グリスアップしました。
タイロッドブーツは裂けてないですが、ちょっとグリス量少なそう。
今すぐ出る問題じゃないので、これもそのうちメンテします。
エンジンオイル交換
レベル見たら、入ってて、キレイそうだから交換悩んだんですが、交換してみたら、オイル汚かった。
そして、ガソリン臭い!?
キャブレターのオーバーフローから入ってるかもしれないです。
今は、特に問題なくエンジン回るので、田植え終わったら、オーバーホールしたいと思います。
植付け爪書き取り量調整
ナエトリゲージというのが、純正部品であって、それを使って調整するみたいですが、無いので、直定規を当てて調整しました。
一つの爪だけ書き取り量が少なくて、そのためか、書き取り量の調整レバーが3ノッチ+側に設定されていました。イセキの標準位置での書き取り量は、11mmみたいなので、すべての爪が同じになるように調整しました。
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